お位牌は古くから先祖供養の中心として、また亡くなった方そのものとして、ご供養の中心的存在となってきました。長く大切にお祀りしていただくために、
どうぞ品質のたしかなものをお選び下さい。
お位牌の起源
お位牌のもともとの起源は中国にあります。儒教では先祖の霊を祀るときに、位版(いはん)、神主(しんしゅ)などと呼ばれるものが用いられます。それがまず中国の仏教に取り入れられ、後に禅宗とともに日本に伝えられたといわれています。日本の神道における依代(よりしろ。神霊が宿るもの)などとも習合して深く浸透していきました。
お位牌の種類
仏式の葬儀の時に一般的に用いられる白木の野位牌と内位牌、四十九日の忌明け法要後にお仏壇に安置する本位牌(塗り位牌、唐木位牌など)、また寺院の位牌堂に祀られる祠堂(しどう)位牌などに分けられます。漆塗りで金箔、金粉を施した伝統的な形のものから、黒檀材、紫檀材などの素材を活かしたお位牌、また最近では現代仏壇(都市型仏壇)などに合う、おしゃれなデザインのものまで多種多様に出回っております。
お位牌のお支度
お位牌は一般的に、四十九日の法要までに支度することが多いようです。四十九日の法要を寺院で行なう場合は、それまでの白木のお位牌と本位牌(お仏壇に安置する位牌)を一緒に菩提寺に持って行きます。法要後、白木の位牌はそのまま寺院に納め、本位牌をお仏壇にお祀りします。お位牌に文字を書き入れたり、彫刻するのには10日間くらい必要ですので、四十九日の法要に間に合うように、早めにお支度されるのが宜しいと思います。
初めて(新規)の場合
初めての場合は、お仏壇も新たにお求めになることが多いと思います。
どのようなお仏壇にされるかによって、大きさやデザインなど、バランスを考えて選びます。また故人の「人となり」や戒名の雰囲気も大切ですし、もちろんお選びになる方のお好みにもよります。
すでにお仏壇(お位牌)がある場合
すでにご自宅にお仏壇があり、お位牌もお祀りされている場合は、大きさ、デザインなど、今あるお位牌(お仏壇)との調和を考えてお選びいただくのが宜しいと思います。
『お位牌の修理や札板の塗り直しなどもお気軽にご相談下さい』
例えば、今までのお位牌の真中にお一人(一霊)書いてあったものを塗り直して、お二人書き(二霊書き)にするような場合は、3週間~1ヶ月くらいはお時間が必要ですのでお早めにご相談下さい。
(お位牌によっては塗り直しが難しい場合があります)
お位牌の書き方(彫り方)
お位牌の文字入れには、蒔絵で書く、彫刻で彫り入れるなどの方法がありここ静岡市では蒔絵による金文字で戒名をお入れすることが多いようです。また、蒔絵にも機械書き、手書き、彫刻なら機械彫り、手彫りと多様な方法がございます。
お位牌への戒名の書き入れの仕方は、実に様々なケースがあります。お仏壇があって、お位牌をすでにお祀りされてきたお宅では、今までのやり方に習う場合もありますし、また何代も続いているようなお宅では、お位牌が多くなってお仏壇に飾りにくくなったので、お位牌を整え直したいという場合もあります。
宗派によって、あるいは菩提寺のご住職のお考えによって書き方が異なることがありますので、初めての場合は特に、まずはお寺さんにご相談をされることをお勧めいたします。その際に、菩提寺の位牌堂に祀るお位牌についてもおたずねいただくと良いと思います。
お位牌に書き入れ(彫り入れ)るのは?
お位牌には一般的に、戒名、俗名、立ち日(お亡くなりになった年月日)、行年または享年(年齢)を書き入れます。年齢は、「数え年」にされることが多いようです。宗派によっては戒名の上に「梵字(ぼんじ)」や「妙法」の文字などを入れる場合があります。(お寺さんの指示によります)
○○家先祖代々―― のお位牌の場合には、ほとんどのお宅が上部に「家紋」を書き入れます。
お位牌を用いない宗派
宗派によっては、お位牌を用いない場合があります。例えば、真宗大谷派(東本願寺派)・浄土真宗(西本願寺派)などの場合は基本的にお位牌(本位牌)を用いません。ご法名を法名軸や過去帳に書き入れ、お仏壇に安置します。それらの宗派のお宅でも、なかには昔からお位牌を安置しているお宅や、地域性による習慣の違いなどもありますので、そのような場合は菩提寺のご住職にご相談されるのが宜しいと思います。