お仏壇の選び方

お仏壇はご本尊、お位牌などを安置する礼拝の場として、またご家庭の心の拠りどころとして、長く大切にしていくものです。充分に吟味してお選びいただければと思いますが、お仏壇は他の品物と違ってどのように選んでいいかお分りになりにくい方が多いと思います。そこでここではお仏壇選びのポイントをいくつかご紹介したいと思います。

宗派による決まりは?

宗派によって、これでなければならないという決まりは特にありませんが、浄土真宗系の場合は、宗派の考え方から金仏壇(内部に金箔などを用いたお仏壇)がよりふさわしいということがいわれます。仏具も他の宗派とは異なります。

上置き型と重ね型(台付型)

お仏壇は上置き型と重ね型(台付型)に大別することが出来ます。上置き型は、文字通り何かの台や段の上に安置する小型のタイプです。たとえば作りつけの物入れの上、サイドボードの上、チェストの上といった具合です。(地袋などの上に安置する100cm~120cmくらいの高さのものは、別台付と呼んで区別することがあります)重ね型は、台付型などともいいますが床に直接安置できるタイプをいいます。お住まいのご都合やお好み、ご予算等によってお選び下さい。

材質、デザイン、品質について

唐木仏壇には以前より黒檀、紫檀、鉄刀木、桑、欅などの高級な材料が珍重されてきました。他にもシャム柿や楠、桜、タモ、ニレなど、多彩な材料が使われています。
一般的に厚みのある高級な材料を多く使えば上等なお仏壇ということになりますが、でも実際にはそれだけで値打ちが決まるわけではありません。なにより出来が良いかどうかが肝心です。その他にデザインがお好みに合うか、寸法はどうか、安置するお部屋の雰囲気に合うか、価格が適正か、などを総合的に判断していただければと思います。
出来の良いお仏壇というのは、ご覧になった時になんとなくスッキリしていて安定感があるものです。最初のうちは違いが全く判らないかもしれませんが、色々と見比べるうちに、だんだん違いがお判りいただけるようになると思います。どうぞじっくりとお選び下さい。

唐木仏壇(からきぶつだん)の選び方

もともとは黒檀材、紫檀材などの高級な輸入材を用いて、素材の木目を生かした仕上げをしたお仏壇をいいましたが、現在は国内で産出される材料を使ったものも含めて唐木仏壇と呼びます。唐木仏壇はほとんどの宗派において用いられ、特に禅宗系が多い静岡周辺ではもっともスタンダードなものです。

様々な材料が用いられ、それぞれ色合いや木目も異なります。まずは全体の雰囲気や材質、デザイン、寸法などお好みに合わせてお選び下さい。
欄間や障子、内部などに彫刻が多く施されたものや、ほとんど彫刻のないすっきりとしたもの。また最近では中の障子や彫刻などを省いて、現代仏壇(都市型仏壇)と従来の唐木仏壇との中間的なデザインのものも出回りはじめました。

お気を付けいただきたいのは、例えば「黒檀(こくたん)」と表示されていても、実際は黒檀の木目を他の木に印刷したり、また印刷した紙を張ってあるようなものもあります。材質や出来具合などちょっとご覧になっただけではなかなか判りにくいものです。当店では、仏事コーディネーターが判りやすく説明させていただきます、どうぞお気軽におたずねください。

金仏壇(きんぶつだん)の選び方

金仏壇は、金箔や金粉を施したお仏壇です。漆塗り、彫刻、錺金具(かざりかなぐ)、蒔絵など伝統工芸の技術を用いて作られます。国内のおもな産地は、秋田、名古屋、彦根、大阪、広島、川辺などです。

金仏壇は、少数派として禅宗様式や浄土宗様式などのものもありますが、ほとんどは浄土真宗系の宗派で用いられます。内部の荘厳は西方極楽浄土を表現していますので、金箔や彫刻、金具、蒔絵などで美しく飾られます。上置型と重ね型(台付型)がありますがデザイン的には伝統的なスタイルのものが多くなります。
浄土真宗の場合、お仏具も他の宗派とは形も飾り方も違いがあります。浄土真宗本願寺派(お西)と、真宗大谷派(お東)においても、それぞれお仏壇の意匠や使われる仏具が異なりますので、注意が必要です。当店では3階に金仏壇専用フロアーを設け、多数展示しております。仏具も各宗派の法式にかなった飾り付けをお勧めしております。

現代仏壇(都市型仏壇)

現代仏壇に代表される、家具調のお仏壇です。都市型仏壇、インテリア仏壇などとも呼ばれます。近年、ライフスタイルの変化や住まいの変化に伴って、お仏壇の新たな選択肢の一つとなりました。自由な感性で選んでいただくことによって、お仏壇をより身近に感じていただく暮らしを提案しています。

家具調仏壇は、昔からのお仏壇のセオリーにとらわれないシンプルさが特徴ですが、であるがゆえに作りやすく、製造コストをおさえた安価なものも沢山出回っています。安価だから悪いということではありませんが、なんといってもお仏壇は、ご家庭の精神生活のよりどころとなる場所です。ご仏前で自然に手が合わさる、頭が下る存在でなければと思います。スタイルは変わっても、ものづくりの伝統が生かされた丁寧な造りで、やはり「お仏壇としてふさわしい」ということが大切ではないかと思います。

小長井仏具本店4階『ギャラリーメモリア静岡』では、洗練されたデザインの現代仏壇を多数展示しております。シンプルですが隅々まで気配りされた丁寧なつくり、リビングはもちろん、和室にも違和感なく調和します。
ギャラリーメモリア静岡でぜひ、伝統と洗練の現代仏壇をご覧下さい。

お仏壇の配置について

お仏壇のご安置場所

お仏壇のご安置場所については、お客様からのお尋ねも多いのですが、これについては以前からいろいろな考え方があります。でも大切なのは、まず安定感のある場所で、ご家族がお参りしやすいということ、そして「お給仕(毎日のお仏飯やお茶、お水などのお供えやお花の水替えなど)」がしやすいかどうかとうことも大事です。また、お仏壇は木製品(塗り物)ですから、やはり直接、日が当たるような場所(とくに西日)は避けたほうがよろしいと思います。以上のようなことに配慮していただければ、お仏壇の向きについては、あまり気にされることはないのではと思います。

  • 安定感のある場所
  • ご家族がお参りしやすい場所
  • お給仕がしやすい場所
  • 直射日光、特に西日の当たらない場所

お仏壇の向き

その他に、お仏壇の向きについて、いろいろな習慣や言い伝えもありますので、参考程度にご案内しておきます。

南面北座説

昔から偉い方は民衆を前にして、北側を背に南を向いて座るというところからきています。
明るい方角を向ければ、お仏壇の中も明るくなるということでは理にかなっています。

西方浄土説

お仏壇を東向きに安置すれば、西方浄土のある西に向かって手を合わせることになるというものです。
これに近いものに、本山の方向に手を合わせるようになる向きに安置するという考え方もあります。

神棚の祀り方から

神棚は南向きや東向きにすることが多く、北向きは避ける習慣がありますので、
お仏壇もそれに習ったという一面もあるようです。